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セルフケアの手帖
牛革の製品に傷がついてしまった場合の対処方法
革製品を長持ちさせるためには日頃の手入れが必要不可欠です。特にyuhaku製品の多くは顔料やラッカーなどでコーティングをせず、革の質感を生かした手染め仕上げのため、メンテナンスがより一層重要になってきます。このページでは牛革の製品に傷がついてしまった場合の正しいケア方法をご紹介いたします。
気を付けていてもついてしまう傷
毎日使っていると避けられないのが爪や金具などによる引っ掻き傷です。コーティングを施していない革であればこの程度の傷はすぐに修復が可能で、yuhakuが質感を生かした革を利用する理由のひとつがここにあります。写真で白く見える傷の部分は、革が剥がれてしまっているわけではなく、表面が荒れてギザギザになっている状態です。これを平らに戻し、クリームで油分を補っていくことで傷を目立たなくすることができます。
乾いた布をご用意ください
まず始めにクリームを着けずに乾いた布で傷の部分を磨き、ある程度傷を平らに戻しておくことが肝心です。この工程を経ずにクリームを使うと、傷の部分にだけクリームが入ってしまい、かえって傷を目立たせてしまうことになります。磨きを行う際の布は古くなったTシャツなど、繊維の柔らかくなった生地のご使用をオススメします。なお、タオルなどのパイル地は表面が均一でなくキズになる可能性もあるので避けましょう。
傷を平らにしていきます
傷を消す時のコツは磨き方にあります。写真のように布の中で人差し指を鍵状に曲げ、爪の表側をつかって傷の部分を磨いていきます。この時、人差し指に親指を押し当てることで指が固定され、より力を入れて磨くことができます。数回磨くごとに革の状態をチェックしながら徐々に力を加えて傷が平らになるまで時間をかけて磨いていきましょう。
クリームを使い製品を磨いていきます
傷がある程度平らになってきたところでクリームを使い磨いていきます。クリームを塗る時のポイントは量を少なめにすることです。一度にたくさん着けすぎるとシミになってしまったり、染料が落ちてしまう原因になるのでご注意ください。yuhakuが推奨しているコロンブスのブリオを使う場合、まずはごく少量を布に取り、製品の端の目立たない部分に塗り込みシミにならないか確認します。問題なければ、今度は指先に少し乗る程度(米粒大)のクリームを布に取り、傷の部分を磨いていきます。
力加減に注意しながら磨きましょう
薄く広く伸ばしていく感覚で傷の部分をゆっくりと磨いていきます。ある程度の力をかける必要がありますが、水ジミ同様、強く磨き過ぎると染料が落ちてしまうことがあるので、最初は優しくなでるように、そこから徐々に力をかけていきます。適度な力で磨いていくと次第に傷は薄くなり、目立たなくなります。
作業完了です
先程の傷がどこにあるのか分からない程に目立たなくなりました。慣れている方ならこの状態になるまでわずか5分程。少しの手間で見違えるように綺麗になるのが革製品の面白いところです。月に一度でもメンテナンスを行うことで、飛躍的に製品の寿命を延ばすことができます。
yuhaku製品にオススメするケアクリーム
右:コロンブス ブリオ
革のメンテナンス初心者でも失敗が少ないオススメのクリームがこちら。革への浸透力はそれほど強くありませんが、保革成分のホホバオイルと天然ワックスのビーズワックスがしっかり含まれているため光沢が出やすく、扱いやすい製品です。
左:レザーマスター レザープロテクションクリーム
イタリアのユニタス社が製造するクリームで、浸透力が強く4日間ほどかけて革の内部まで浸透。革に栄養分を与え、耐水性、耐油性も高め内側から革を守ります。浸透力が高い反面、使い方を誤ると染料を浮き立たせてしまうため、色落ちが起きる危険性も伴います。そのため、初心者の方はまずコロンブス ブリオでメンテナンス、慣れてきたところでレザープロテクションクリームのご使用をオススメします。