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セルフケアの手帖
牛革の製品が水に濡れてしまった場合の対処方法
革製品を長持ちさせるためには日頃の手入れが必要不可欠です。特にyuhaku製品の多くは顔料やラッカーなどでコーティングをせず、革の質感を生かした手染め仕上げのため、メンテナンスがより一層重要になってきます。このページでは牛革の製品が水に濡れてしまった場合の正しいケア方法をご紹介いたします。
水分は大敵です
「yuhaku」製品に限らず、革製品の一番の大敵はやはり水分です。雨に濡れたり、水滴が付着することで、シミができてしまった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。これは、革の表面が水分によって一時的にふやけ、その部分だけ盛り上がった状態になることが原因です。特にyuhaku製品は圧力を掛けて磨き上げているため、その現象が目立ってしまいます。しかし、正しいメンテナンスを行い表面を平らに戻してあげることで、ある程度復元することができます。
水分が付着した際にはすぐに水気を取って乾かしましょう
どんなに気をつけて使っていても、ふとした瞬間に水滴は付着してしまうものです。まずは慌てずに水分を取り除くことを最優先しましょう。水分を吸い取るイメージで、柔らかい布やティッシュを水滴に当てて水分を取り除きます。このとき擦るように拭いてしまうと、水分が周囲に広がり被害を拡大してしまう可能性があるのでご注意ください。
製品が乾いたら
陰干しをして様子を見ましょう。もう既に水のシミが出来てしまっている場合は、布にクリームをつけて磨いていきます。この時に注意したいのはクリームの選び方です。yuhakuの手染め製品に限っては市販のデリケートクリームのように水分が多く含まれているものは避けてください。水分が多いクリームは使用する量を間違えると逆にシミになってしまうこともあるので注意が必要です。
クリームを使い製品を磨いていきます
一度シミになってしまうと、軽く磨いただけではなかなか綺麗に修復できません。そこでクリームを使い革の表面を磨いていきます。磨きを行う際の布は古くなったTシャツなど、繊維の柔らかくなった生地のご使用をオススメします。タオルなどのパイル地は表面が均一でなくキズになる可能性もあるので避けましょう。
まずは乾いた布に米粒ほどのクリームを取り製品の目立たないところに塗り込んでいきましょう。シミにならないことが確認出来たら、さあ本番です。
シミをならすにはある程度力を入れて磨く必要がありますが、あまり力を入れすぎると染料が落ちてしまう可能性もあので、クリームを少量とり、力加減を調整しながら円を描くように動かし徐々に力を加えていきます。上の写真のように爪の表側を布に当てて磨くようにするとスムーズに行え、力加減も調整しやすくなります。このとき親指を人差し指に押し当てることで、さらに力を加えて磨くことができます。また、指の腹で磨くよりも指が痛くなりにくいのでぜひお試しください。
水分によって浮き上がったシミ部分をまわりに馴染ませるように磨くことで、次第に表面がなだらかになっていきます。シミが薄くなってきたら、全体を磨いていきましょう。そうすることで色が馴染み、シミが目立たなくなります。
さらにクリームの油分により革に適度な湿度が保たれます。革は人の肌同様、乾燥させるとひび割れをおこしてしまうこともあります。水濡れは好ましくありませんが、クリームを使い適度な保湿を心がけることで、より永く製品との時間をお過ごしいただけます。
yuhaku製品にオススメするケアクリーム
右:コロンブス ブリオ
革のメンテナンス初心者でも失敗が少ないオススメのクリームがこちら。革への浸透力はそれほど強くありませんが、保革成分のホホバオイルと天然ワックスのビーズワックスがしっかり含まれているため光沢が出やすく、扱いやすい製品です。
左:レザーマスター レザープロテクションクリーム
イタリアのユニタス社が製造するクリームで、浸透力が強く4日間ほどかけて革の内部まで浸透。革に栄養分を与え、耐水性、耐油性も高め内側から革を守ります。浸透力が高い反面、使い方を誤ると染料を浮き立たせてしまうため、色落ちが起きる危険性も伴います。そのため、初心者の方はまずコロンブス ブリオでメンテナンス、慣れてきたところでレザープロテクションクリームのご使用をオススメします。