堅牢かつ透明感のある
美しき馬革「コードバン」とは
革のダイアモンドと言われ、革好きであれば一度は憧れる希少素材コードバン。
その魅力は他の革とは一線を画しています。
コードバンの最大の特徴はその耐久性と光沢です。
通常の革では見られない独特のツヤがあり、使い込むほどに艶が増していきます。
また、優れた柔軟性を持ちながらも非常に丈夫で、強度は牛革の約3~5倍ほどとも言われており、一生物としての価値を持つ素材です。
コードバンの魅力と特徴について詳しくご紹介いたします。
01
Leather Diamond
革のダイヤモンドと呼ばれる理由
「コードバン」がなぜ革のダイヤモンドと呼ばれるのか?
それは、コードバンを作る作業工程が由来です。
コードバンは馬の臀部(お尻)に生成されるコラーゲン繊維の層を指します。
馬の皮は乳頭層、網状層という2層から成り立ちますが、その網状層のうちわずか1〜2mm程度の硬い層を削り出したものが「コードバン」です。
コードバン層の箇所を削り出す作業工程が宝石の発掘を想像させ、光沢を実現するグレージングという作業工程が宝石の研磨を思わせることから、コードバンは革のダイヤモンドと呼ばれています。
02
Rarity
コードバンの希少性
コードバンの希少性には2つの理由があります。
1つ目の理由は素材量の少なさです。
コードバンはどんな馬からも採れるわけではありません。
農耕馬の起源となる野生馬が、天敵であるオオカミなどに背後から襲われたとき、お尻に噛みつかれても致命傷を負わないよう固いコラーゲン層を発達させたのが、コードバン層と呼ばれる部分となっています。
競走馬やポニーなど外敵に襲われる心配のない馬は、コードバン層を必要としないため範囲が狭かったり厚みが薄かったりなど、製品化するには難しい場合があります。
しかし、コードバン層が含まれているのか良質なのかは削り出しをしなければ分かりません。
コードバンは馬1頭から1割程度の面積分しか取れない上に、全ての馬が持つわけではないのです。
また、革は食用の副産物として原皮が生まれます。世界的に食用牛の消費量が多いため、牛革の流通量は世界的にも多いです。馬肉の消費量は牛に比べて少ないため革の生産量も少なくなっています。
2つ目の理由は生産に高い技術が必要な事です。
コードバンの生産に携わるタンナー(皮革製造業者)は世界的に見ても少なく、数社しかありません。
コードバンは削り出し、鞣し、グレージングなど様々な工程を経て作られますが、高度な知識と経験が必要とされます。
削り出しは職人の目と感覚で見極めて行います。わずか1〜2mmの非常に薄いコードバン層を削り出す作業は、長年の経験を積んだ職人でなければ失敗してしまう非常に難しい作業です。
その為、高い技術を持つタンナーでしか生産ができません。
熟練の職人の腕前と良質な馬皮が揃って、初めて生産できるのがコードバンなのです。
03
yuhaku × Cordovan
yuhakuのコードバン
アニリンコードバン
yuhakuでは主に、最高品質のタンナーであるレーデルオガワが提供するアニリンコードバンを使用しています。
アニリン染めは表面のみを染色する技法で、透明感があり、光の加減によって異なる表情を見せる仕上がりになります。これはyuhakuの手染めも同様です。コードバンの染色方法にはオイル染めや顔料染めなどがありますが、コードバンの艶を最も美しく楽しめるのがアニリン染めです。
さらに、極限まで施されたグレージング(磨き作業)により、繊維が隙間なく寝かせられ、鏡のような光沢のあるコードバンに仕上がります。これにより、ピンホール(毛穴)が目立ちにくくなり、一層美しいコードバンが完成します。
他社のコードバンに比べて油分が少なく、コシが強いため、凛とした表情を持つのも特徴です。このような特徴がレーデルオガワのコードバンを主に使用している理由となります。
yuhakuの手染めグラデーション
アニリン染めした革を製品化した後に、yuhakuの染色職人が製品に対し一点一点グラデーション染色を施します。
革製品というカテゴリの中には、形状やサイズ様々なアイテムがあります。財布、名刺入れ、シューホーンなど、それぞれの形に合わせ最も美しい色味に仕上がるよう計算し染色を行っています。
艶やかで透明感のある輝きは丁寧に使い込んでいくと年々味わいが増し、所有する喜びも深くなる逸品です。
ダイヤモンドを彷彿させるような、耐久性、透明感、なめらかさを最大限にお楽しみいただけるコードバン製品は、革製品の愛好家にとって所有感の高い最高の素材とされています。
yuhakuでは特にコードバンを使用した財布が人気のアイテムとなっています。
04
care
コードバンの特性とお手入れについて
コードバンの特性
コードバンは堅牢な素材ですが、水に弱い特性があります。 コラーゲン繊維をグレージングにより圧縮し寝かしつけていますが、屈折する部分などは圧縮された繊維の毛羽立ちが起きやすく、起毛の隙間から水分を吸い込んでしまいやすいためです。 そのため、シミや水みずぶくれなどが起こりやすくなります。 コードバンの綺麗な艶は水に強い樹脂ではなく、熟練の職人技によるグレージング(磨き)作業によるものです。 水に濡らさぬようご注意いただき、万が一水分に触れてしまった場合はすぐに拭き取るようにしてください。
コードバンのお手入れについて
普段のお手入れは乾いたやわらかい布で革表面を乾拭きしてください。
革小物用のクロスなどもありますが、メガネ拭きを使った乾拭きが手軽でおすすめです。
指紋が取れやすくコードバンの美しい艶が保たれます。
また、メガネ拭きはクリームやワックスを使用した後の仕上げ磨き用にも最適です。
牛革のケアアイテムは水分量が多いため使用できませんので、コードバン専用のケアアイテムをご使用ください。
yuhakuではタンナーであるレーデルオガワが製造しているケア用品をおすすめしています。このケアワックスはコードバンが持つ特殊なコラーゲン層に着目し、油分と水分の最適化を追求したコードバン専用保湿ケアワックスです。大切なコードバンの革小物を長くご愛用いただくためにもぜひご利用ください。
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コードバンにおすすめのケアアイテム
コードバン基本のケア3点セット