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色彩の情景
光と大気が生んだ色を、革に写すということ - Claude Monet -

色が生まれる、その瞬間を綴る。
特別な色には、特別な物語があります。

yuhakuでは、限定色を発表するたびに、
その色が生まれるまでの“情景”や“想い”をひとつの記録として残していきます。
染色を担う職人やデザイナーの声、
制作の裏側で交わされた言葉や、手の中で育った色彩の記憶──

それは単なる色見本ではなく、
ひとつの色が完成するまでに積み重ねられた“時間”と“感情”の記録です。

このページでは、そんな色の背景にある静かなドラマを、 言葉を通してお届けしてまいります。

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その青と、網膜のあいだにあるもの

たとえば、あなたは夕方に友人と会う約束をしたとして。
待ち合わせ場所に着いたあなたの元に、青いカーディガンを着た友人が、小さく手を振りながら近付いてきたとします。

西日に照らされたその青と、あなたの網膜のあいだに存在している大気は、いったいどんな色をしているのでしょうか。

一歩いっぽとこちらへ近付いて来る青は、ずっと同じ色彩でしょうか。
きっと、少しずつ違う色彩に見えるはずです。
でも、どう違うのでしょう。

その答えを、250通り以上も生み出してきた画家がいます。
クロード・モネです。





「そのまま描く」役割を降りた画家たち

1839年、モネが生まれるわずか1年前。

「記憶を持った鏡」という謳い文句とともに、パリにある発明が登場しました。
ダゲレオタイプと呼ばれる、世界初の実用的写真撮影法です。

この技術の登場により、人物や風景は、かつてないほど忠実に記録できるようになりました。
それまで視覚情報の記録を担っていた肖像画家や風景画家たちは、「そのまま描く」役割を写真に譲ることになります。
便利な技術の登場によって、人間が担わなくてもよい仕事が増えていく。
この構図は、現代におけるAIの登場にもどこか似ています。

この大きな転換点をきっかけに、画家たちは自らに問い直しました。
― 画家は、何を描くべきなのか。




光を描くという決意

1840年、パリに生まれたクロード・モネ。
5歳で海辺の町アーブルへ移り住み、10代後半には風刺画で頭角を現し始めます。

そんな彼が出会ったのが、風景画家ウジェーヌ・ブーダンでした。
当時、制作はアトリエの中で行うのが当たり前。
しかしブーダンはモネを戸外へ連れ出し、自然光の中で描くことを教えます。

刻一刻と変化する光。
止まることのない空気。

その体験が、モネを「光を描く画家」へと導いていきました。



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モネ 自画像 1917年 オルセー美術館所蔵




一瞬たりとも同じではない風景

戸外制作は、想像以上に過酷なものです。

雲は流れ、枝葉は揺れ、花は開き、やがて閉じる。
朝は鮮やかに、夕方には橙色に、日が落ちれば闇に包まれる。

情報が多すぎて、何ひとつとして待ってくれない。
自然はあまりにも表情豊かで、ドラマチックです。

その一瞬たりとも同じではない光の移ろいに魅せられ、
生涯をかけて向き合う道を選んだモネの感性と胆力には、ただただ脱帽するばかりです。


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モネの代表作《印象・日の出》は、印象派の名前の由来として知られています。

当時の画壇では、宗教画が重んじられ、風景画は軽視されていました。
そんな時代に、しかも「日の出」という、ほんの一瞬で消えてしまう光景を描いたのです。

霧がかかり、水面が揺れ、船が動く。
すべてが変化し続けるその景色を、モネはスピード感ある筆致で描き切りました。
描かれているのは風景そのものではなく、
光と大気が生み出す「印象」だったのです。

写真は被写体を正確に写し取ります。
けれど、被写体とレンズのあいだにある空気感までは写しきれません。
スマートフォンで撮影するとき、私たちは「どう映るか」は気にしても、「そこにある空気がどう見えるか」を考えることは、あまりありません。
モネの絵は、その削ぎ落とされがちな空気の層を、色として可視化してくれます。



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クロード・モネ「睡蓮 (1916)」



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クロード・モネ「睡蓮 (1906)」


睡蓮という、終わりなき主題

1890年代、50歳を過ぎたモネは、睡蓮の連作に取り組み始めます。

250点を超えると言われるその作品群は、同じ池を、異なる時間、天候、季節の中で描き続けたものです。
そこに描かれているのは、睡蓮そのものではありません。

水面に映る空、揺らぐ木々、漂う光。

見る者は、描かれていない空気や時間までも想像することになります。

説明し切らない余白。
鑑賞者が入り込むための空間。

それこそが、絵を完成させる最後のピースなのだと思います。



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睡蓮の情景を、革へ

この「睡蓮の情景」を、革に落とし込む。

そこから生まれたのが、SCMシリーズです。
油絵具とは異なり、染料は革に浸透し、混ざり合います。
混ぜずに隣り合わせることができない素材で、いかにしてモネの筆触分割の思想を再現するか。

指先に布を巻き、数ミリ単位の点をひとつずつ置く。
革のトラや血筋さえ、水面の波紋として受け止めながら、
光の流れを構成していきました。

モネが生涯をかけて追い続けた、光によって変わる色彩。

その思想を、
日常の中で触れ続ける革へ。
SCMシリーズは、同じ表情が二度と生まれない、光の情景です。

クロード・モネ没後100年記念
《睡蓮》オマージュコレクション
商品ラインナップ

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色の裏側を紡ぐ

染色職人



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職人 松岡 千陽

女子美術大学 日本画専攻卒
洋楽と古着を主成分としカルト映画も少々 来世はクラゲになりたい



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yuhakuが作る光の色彩を、ぜひお楽しみください。

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